メンテナンス・保証
Maintenance / Warranty
メンテナンスの重要性
─インプラントを長持ちさせるために─
Importance of maintenance
インプラントは耐久性と見た目の美しさに優れた人工歯です。しかし、インプラントを清潔な状態で保たなければインプラントの寿命が短くなってしまうおそれがあります。インプラントや上部構造そのものは虫歯になりませんが、歯周組織である歯肉や骨は細菌に感染するおそれがあります。天然歯と違って歯根膜という組織がないため炎症を起こしやすく、そのまま放置するとインプラントが脱落してしまいます。こうした症状を「インプラント周囲炎」といいます。天然歯を磨くのと同じように、インプラントも毎日のケアが大切です。
インプラントのメンテナンスはご自宅での歯磨きなどでもできますが、ケアできない部分や細かいチェックは歯科医院で行ないます。汚れや噛み合わせの確認、クリーニング、歯磨き指導などを受けていただくことで、インプラントを長く使えるようになります。こうしたケアはご自宅ではできないため、定期的に通院していただく必要があります。
ご自宅と歯科医院の両方でメンテナンスを継続していただくことにより、インプラントや歯周組織の健康状態を守れます。治療後も歯の健康を守るつもりで、通院を続けていただきたいと思います。
インプラント周囲炎について
Peri-implantitis
天然歯の周囲で炎症が起き、骨も溶けて歯がグラグラとする歯周病という病気がありますが、同じような症状がインプラントでも起こり得ます。これをインプラント周囲炎といいます。初期段階では歯肉からの出血が見られ、さらに進行すると腫れや膿みなどが出現します。重症化すると歯肉や骨が痩せていき、インプラントが脱落してしまいます。
インプラントは天然歯に比べて周囲の組織が炎症を起こしやすく、改善もしにくいとされています。インプラント周囲炎にかからないようにするには、インプラント周辺を常に清潔な状態に保ち、定期的に歯科医院でチェックを受けることです。細菌が溜まらない環境を維持することで、インプラントを長く使えます。
歯科医院でのメンテナンス
Maintenance at a dental clinic
ご自宅での歯磨きも大切ですが、歯科医院で医師や歯科衛生士によるチェックを受けることも重要です。3ヵ月に1回ほどのペースで検診やクリーニング、歯磨き指導を行ない、インプラントの状態を適切に管理します。
口腔内検診
インプラントや上部構造、さらに周囲の粘膜や歯肉などの状態をチェックします。軽い炎症などが見られた場合はすぐに処置をします。インプラントだけでなく、歯列全体の噛み合わせや天然歯の健康についても調べます。
クリーニング
しっかり歯磨きをしている方でも、歯垢や歯石を取り逃していることがあります。専用の器具や薬剤を使って歯列全体を磨き上げ、歯磨きだけでは落としきれない歯垢や歯石を除去します。インプラントの周囲も清潔な状態に仕上げます。
歯磨き指導
日々の歯磨きの質を高めるための指導です。歯列全体を磨き上げるのは難しく、その人の歯並びによって適切な磨き方は異なります。患者さまのお口の状態に合った磨き方をお教えし、歯ブラシの持ち方や動かし方などをアドバイスします。
自宅でのメンテナンス
Maintenance at home
日々ご自身でできるメンテナンスは、特別なことではありません。天然歯を守るのと同じように歯ブラシで磨くことです。
インプラントは顎骨に埋め込んでいるという性質上、根元に歯垢などが溜まりやすいと考えられます。こうした汚れがインプラント周囲炎に発展する可能性があります。歯を磨くときにはインプラントの周囲に気をつけ、きれいに磨く必要があります。当院では患者さまのお口の状態を把握したうえで、一人ひとりにあった適切な歯の磨き方を指導しています。
また、歯ブラシだけでなく歯間ブラシやフロスなどのデンタルグッズを使うこともおすすめです。歯ブラシが届きにくいところの汚れも落とせれば、インプラント周囲炎のリスクを軽減できます。
安心の保証制度
Guarantee system
安心してインプラントを使用できるよう、保証制度を設けるなどの長期的なサポートに注力しています。不具合が起こった場合、一定の条件のもとで対応いたします。
院内保証制度
患者さまの治療プランに応じて、一定の条件をもとに3~5年の保証制度をご用意しています。定期的にメンテナンスを受けていただいているにもかかわらず不具合が発生した場合、再埋入や治療、返金などの対応をいたします。ただし、喫煙習慣や全身疾患などがある場合は、保証適用が制限されることもあるのでご注意ください。
ガイドデント社インプラント10年外部有償保証システム
当院では、ガイドデント社のインプラント10年保証に加盟しています。インプラント治療後、10年以内にインプラントが破損してしまった場合の再埋入や、上部構造が破損した場合の修理費用を保証します。安心してインプラントをお使いいただける保証制度となっていますので、関心のある方はお気軽にご相談ください。
- インプラント埋入治療にともなう一般的なリスク・副作用
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- 機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
- インプラントの埋入にともない、外科手術が必要となります。
- 高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗しょう症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
- 手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
- 手術後、歯肉・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。また、顎・鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
- 手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気などの副作用が現れることがあります。
- 手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
- インプラントの耐用年数は、口腔内の環境(骨・歯肉の状態、噛み合わせ、歯磨きの技術、メンテナンスの受診頻度、喫煙の有無など)により異なります。
- 毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎(歯肉の腫れや骨吸収など)を引き起こすことがあります。
- クリーニング・PMTCにともなう一般的なリスク・副作用
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- 内容によっては保険適用となることもありますが、歯の病気の治療ではないため、基本的には自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
- 歯科医院でのクリーニング・PMTCだけでは、虫歯・歯周病の予防はできません。日ごろから歯磨きなどのケアに努めることで、予防効果を上げられます。
- 歯肉の腫れや歯肉炎のある方は、器具が当たることにより痛みや出血をともなうことがあります。
- 歯と歯肉の境目への歯石の付着が多い方は、歯石除去後、歯肉から出血が見られることがあります。多くの場合、クリーニング後しばらくすると出血は治まり、1~2日で歯肉は治癒します。
- 着色汚れや歯垢・歯石はクリーニング・PMTCで除去できますが、効果は永続的ではありません。いずれも再付着するものなので、定期的に受診して処置を受けることが大切です。